人事評価関連(No.10003) 2018.1.29 2019.11.18更新

人事評価表の書き方のポイントと記入例

半期や1年といったワンクールの貢献度を評価される人事評価(人事考課)。 評価する側もされる側も、相手の理解・納得を得るために、人事評価表の記入には苦労があるものです。

今回は、人事評価表の書き方について、記入例を合わせたポイントをご紹介します。

人事評価表とは

自己の仕事に対する評価に明確な根拠がなければ、人事評価制度に公平性や透明性が担保されているとは言えず、信頼はできません。 人事評価表は、人事評価制度に基づいた正当な評価を可視化するために、目標設定や達成度、その評価について明記された表のことです。 人事評価シート、人事評価データとも呼ばれます。

被評価者の目標設定と自己評価について
~書き方のポイントと例文~

目標設定や自己評価は、表現ひとつで印象が変わります。 できて当然の目標をクリアしても評価は上向きになりませんし、結果を記すだけでは期待されません。
「人事評価表」という限られた枠の中で、会社への貢献度を余すことなく伝え、今後の期待値を高めるための工夫が必要です。

・営業職の目標設定と自己評価

売り上げや契約数などの具体的数値が目標となりますが、そのプロセスについても明記します。 数値は前期以上の設定を基本とし、営業部門全体の目標や上司との擦り合わせを行います。 自己評価は、目標について達成・未達成に関わらず、来期への期待が高まる内容を考え、後輩の育成や他部署への協力姿勢などもアピールします。

(例)

項目 目標 自己評価
成果・業績             

売上目標額 〇〇百万円

(前期実績比105%)

売上額〇〇百万円(前期実績比102%) 目標には届かなかったが、進行中の3案件があり、すべて綿密な顧客フォローが功を奏した紹介案件。

能力・

プロセス  

顧客フォロー電話100% 来期契約満期顧客への訪問フォロー100% 電話、訪問ともに100%達成。来期の契約継続に繋げたい。 訪問フォローには必ず新入社員を同行させ、現場経験を積んでもらった。 訪問時のヒアリング内容をまとめ、開発部に提出済。


評価表サンプル

・事務職の目標設定と自己評価

営業に比べ数値目標の立てにくい事務職ですが、達成・未達成が明確な目標設定は評価も明確に返ってくるため、時間や業務工程数など、数字に落とし込むよう工夫します。 また、その目標を通した実益があれば、次回に生かす旨も明記できるといいでしょう。

(例)

項目

目標 自己評価
成果・業績

消耗品費削減

(前期比-10%)

目標達成(前期比-12%)

各部門、支店に任せていた消耗品購入方法を〇〇社ネット注文に一括。特別割引契約に繋げ、12%削減。 各管理部門との連携体制をつくることができた。

能力・

プロセス          

年間スケジュールの年内作成 

(毎年3月作成公開)                     

目標未達成(1/15に作成・公開)

各部門・支店からのスケジュール回収が進まず、既に決定していた会議等との調整に時間がかかった。

他部門・支店の業務事情の把握不足を痛感したため、これを機会に各部門・支店スケジュールも作成し、業務の見える化を検討したい。


・専門職の目標設定と自己評価

専門職と一括りにするのは困難ですが、専門職である以上、その分野での貢献度が目標になるのは間違いありません。 これについても、成果・業績項目では数値目標を設定することで、具体的な努力や工夫をしやすく、評価にも返ってきやすくなります。

(例) ※開発・製造と仮定

項目 目標 自己評価

成果・業績         

〇〇商品についてのコストダウン(-4%)        

未達成(-2%)

外注先、ハード調達時期の見直しで目標達成予定だったが、〇社のバージョンアップによる原価変更が響いてしまった。 今後は、イレギュラーへの想定をしっかりと行いたい。

能力・

プロセス

定期ミーティング

方法の見直し

事前に課題や参考資料を案内することで活気あるミーティングとなり、現在、新商品へのアイデアが形になり、幹部会議に入っている。


・総括やアピールの欄がある場合

資格取得などのスキルアップ、マニュアル作成、連絡方法の改善など、目標にはしていないけれど貢献度が高い、もしくはこれから貢献できる行動については、総括やアピール欄に簡潔に記します。 欄がなければ、面談時に伝えられるように考えておくか、限られた欄に盛り込めるよう文面を工夫します。 人事評価表は、記載できる箇所・量が限られる場合がほとんどですから、面談時にも効果的に伝えられるよう、準備をしておくべきでしょう。

評価者(上司)としての評価について
~書き方のポイントと例文~

人事評価のあるべき姿を体現する者として、評価者の評価は責任重大です。 評価エラーに陥らない公平な評価には客観性が求められますし、部下のモチベーションアップには、受け身の報告確認だけでは十分ではありません。 常に育成を考えた視点で部下を見守った上での評価を意識します。

以下は、前述の職種別目標設定と自己評価に対する記載例です。

・営業職への評価文例

売上目標にこそ届かなかったが、業界全体の景気から考えると、前期を上回る実績は非常に評価できる。 目標達成のために新規顧客中心に動きがちな営業だが、顧客のフォローから紹介を勝ち取る手法は我が社の理念にも通じ、新入社員の育成としても最適である。 ただし、温厚な物越しが好印象を与える反面、値引き交渉に弱い。 この点が打破できていれば、売上目標を達成できた可能性があるため、自己啓発を望みたい。

・事務職への評価文例

消耗品費削減以上に、この目標遂行を通して、各支店事務担当者との連携体制を整えたことを評価する。 消耗品以外に削減可能な費用や、工夫したい点があると考えている様子であるし、年間スケジュールについても、この連携体制が効果的に働くことを期待する。 ある支店で今回の出張費を指摘されたと気にしていたが、現場との壁を感じたことで、今後のスタンスの足掛かりになるだろう。 管理部門の連携だけでなく、他部署、他職種ともコミュニケーションを図り、就業満足度を上げるアイデアを来期課題としてもらいたい。

・専門職への評価文例

原価の高い主力商品なだけに2%のコストダウンでも貢献度は高いが、〇社のバージョンアップは2年ごとに確実に行われている。 今後は取引先情報や開発期間を重視したスケジューリングで、更なるコストダウンを期待したい。 定期ミーティングの改善は既に効果を発揮し、新商品提案が幹部会議にかけられている。 営業部門から届いたヒアリング集計も参考に、後押しの材料を作り込んでもらいたい。

まとめ

以上、人事評価表の書き方をポイントと記入例でご紹介しました。 業界や会社の特徴によって違う点もありますが、正当な評価をしたい、正当に評価されたいという気持ちは同じはずです。
人事評価表による貢献度や評価の見える化が効果的に働くには、被評価者(部下)のアピールポイントに漏れがあってはいけませんし、評価者(上司)としてしっかりと見ていることを示す必要があります。 日々の業務に追われることで、初期の行動や成果を忘れることがないよう、記録を残していくことも大切なポイントです。

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<< コラム監修 >>

株式会社サクセスボード 萱野 聡

日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー

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